子供の心の病気

子供の心の病気は、その原因について、かつては親のしつけや家庭環境・教育環境など、子供に対する人為的な影響と子供が置かれた環境の影響といった外的な要因が重視されてきました。しかし、近年の脳科学の発達により、子供の心理状態や問題行動に関する医学的な原因究明が進み、治療方法も進歩しています。ここでは、そのような子供の心の病気(精神障害)の顕著な例を紹介しましょう。

■自閉症
脳の機能障害によって、成長の初期段階からその症状が表れます。まず、乳児期にはあやしても笑ってくれません。また、親の目を見ようとしません。幼児期になっても表情が乏しく、呼びかけてもすぐには反応しません。言葉の発達が遅れ、会話をしようとしません。他の子供と一緒に遊ぶこともできず、興味を持つ対象が限られ、同じひとり遊びばかりをし続けます。さらに、思い通りにならないと、怒りの感情を激しくあらわにします。

このような症状の特徴から、自閉症児は社会適応が困難であることは明白ですが、社会生活への適応をめざして幼児期から適切な教育を施すことにより、社会への適応能力を高めていくことができます。脳の機能回復はほとんど不可能ですが、社会適応することは可能です。そのために、親も自閉症について科学的な理解を深め、医療・教育・福祉関係の人々の支援を受けて子育て・教育に当たることが必要です。

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■小児うつ病
症状としては、気分が落ち込み、何をしても楽しくない、何かをしようという意欲もなくなります。しかし、本人は自分がこのような症状にあることを自覚できず、単にだるいとか、頭が痛い、食欲がないといった具合悪さを感じているだけです。そのため、親や周囲の人間も、子供がうつ病であることになかなか気付くことができません。

小児うつ病の直接的な原因は、セロトニンなど神経伝達物質の機能低下にあることが判明しています。そこで、対症療法としての薬物療法を用い、同時に精神療法と組み合わせることによって、かなりの回復効果が期待できます。小児うつ病は、放置して病状が進むと自殺に至ることもある危険な病気です。気付いたら早めに精神科(あるいは神経科、心療内科)の診断を受けましょう。

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