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子供の耳の痛みから考えられる病気

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子供の耳が痛いときは、次のような病気が原因として考えられます。

 外耳炎(外耳道炎)

【症状】 初期症状は耳の穴の痒み、痛み。進行すると外耳道が腫れ、耳周辺に強い痛みが広がる。また、耳をつまむだけでも激しい痛みを感じ、顎を動かすのもつらくなる。

耳の穴の入り口から鼓膜までの外耳道に発生する細菌性(ブドウ球菌など化膿菌)または真菌性(カビ・麹菌の種類)の炎症です。外耳道は、浅い部分(手前側の約3分の1)を軟骨部と呼び、厚めの皮膚で皮脂腺・耳垢腺が分布しています。その奥の鼓膜へとつづく外耳道の残りの部分は骨部と呼び、皮膚が薄く、皮脂腺・耳垢腺はありません。子供の外耳炎は、主として軟骨部にブドウ球菌などの化膿菌が感染して発症します。

子供の外耳道軟骨部への化膿菌の感染は、耳掻きで傷つけること、綿棒で強くこすること、あるいは耳の痒みから棒状のもので軟骨部をこすることなどによって起こると考えられます。そのようにして発症した外耳炎は、約1週間後に患部から膿が出て症状が軽快に向かい、痛みもなくなります。しかし、痛みが激しくなるころには食事がしにくくなり、外耳道の腫れで片耳が聞こえにくくなります。また、排膿の後には外耳道に出た膿をきれいに取り除かなければなりません。そうなる前に耳鼻科を受診した方が良いでしょう。

 中耳炎(急性中耳炎)

【症状】 耳の激しい痛み、高い発熱、難聴、耳の閉塞感。耳鳴りがすることも。

中耳(鼓膜の内側にある空間)にインフルエンザ菌(※インフルエンザウイルスではない)・肺炎菌などの細菌が感染して起こる炎症です。乳幼児を含む10歳以下の子供に多く発生します。感染経路は、中耳の空気圧を調節するために中耳と上咽頭(鼻腔よりも奥、扁桃がある中咽頭より上)をつなぐ耳管を経由するものがほとんどです。

乳幼児は、思春期以降の子供や大人よりも耳管の径が大きく短いために感染しやすく、中耳炎の発症例が特に多い年齢層です。自分でその異常を伝えることはむずかしいのですが、親が耳に触れると痛みから激しく泣き、それによって親が初めて異常に気づくことが多いようです。異常に気づいたら、すぐに耳鼻科を受診してください。多くの場合、抗生物質や消炎鎮痛剤が投与され、しばらくして鼓膜が破れて膿が排出されることで軽快に向かい、発症から10日ほどで完治します。症状が激しい場合は、鼓膜を切開して膿を排出しますが、いずれの場合も鼓膜は自然に再生します。

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