子供に副作用のある薬
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子供に副作用のある薬
子供への副作用が疑われる薬として、昨年(2009年)、抗インフルエンザウイルス薬のタミフルが有名になったことは、記憶に新しいところです。タミフルはスイスの医薬品メーカーの製品ですが、2001年に厚生労働省の認可を受けて以来、国内における代表的なインフルエンザ治療薬としての地位を不動のものとし、2005年には、タミフルの国内使用量が全世界の使用量の約75パーセントを占めるまでに増加しました。そして、当時すでに、10代の若者や児童・幼児のインフルエンザ患者において異常行動とインフルエンザ脳症が発生しており、その原因としてタミフルの副作用が取り沙汰されていました。
このようなタミフルの副作用に対する疑惑が解決されないまま、2009年の新型インフルエンザの流行を迎えたわけですが、タミフル使用患者の異常行動(飛び降り)による死亡者が出るにおよび、その疑惑はますます大きくなったと思われます。しかし、11月の末、厚生労働省の安全対策調査会において国立感染症研究所の調査結果が報告され、それがタミフルの副作用疑惑に対するひとつの公式見解となりました。
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新聞報道によると、9月5日から11月15日までの間に、全国の医療機関から報告された、インフルエンザ患者の「飛び降りや急に走り出すなど、制止しないと命の危険がある重度の異常行動」151件について、患者が使用していた薬を調査したところ、リレンザ投与36件、タミフル投与26件、全く薬を飲んでいない11件(その他78件は不明)という結果でした。厚生労働省は「薬の種類や使用の有無にかかわらず異常行動が起こることを注意すべきだ」と指摘しています。
サンプル数が少なく、しかも不完全な調査ですが、異常行動が副作用によるものと言えなくなったことは明白です。報告されたインフルエンザ患者のほとんどが15歳未満でしたから、子供への副作用もあるとは言えません。すでに研究者たちが主張しているように、インフルエンザ脳症ばかりか異常行動もインフルエンザ固有の症状であることは間違いないようです。
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