子供のかすれ声から考えられる病気
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子供のかすれ声から考えられる病気
子供がかすれ声(声枯れ)になることはよくあります。ひと口にかすれ声と言っても、しわがれ声(ハスキーボイス)の場合もあれば、もっと耳ざわりなガラガラ声の場合もあります。しかし、いずれの場合も、大声を出して遊ぶ元気な子供にはしばしば見られる現象であり、また、風邪でのどが荒れたときにもかすれ声になることが珍しくありません。
のどの酷使や風邪によるのどの炎症が原因で起こる声枯れは、一般に一時的な現象であり、長続きすることは余りありません。風邪の場合も、症状が快方に向かうとともに正常に戻ります。しかし、風邪を引いてもいないのに子供のかすれ声が続く場合は、小児声帯結節や急性喉頭炎を起こしている可能性がありますので、耳鼻咽喉科または掛かりつけの小児科を受診してください。
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【症状】 かすれ声(しわがれ声)。のどの異物感を感じることや、声を出しにくいことも。
咽頭(いんとう)の奥の喉頭(こうとう)と呼ばれる部分に気管の入り口があり、そこに左右一対の縦長の襞からなる声帯があります。声帯は、呼吸をするときには左右の襞がハの字形に大きく開きますが、発声のときには閉じた状態になり、隙間から呼気が吹き出すことによって振動し、その振動音が口腔と鼻腔で共鳴して声になります。
声帯結節は、左右の襞が発声のときの激しい振動や摩擦によって炎症を起こし、こすれ合った接触部分の粘膜下に内出血が起きることで発生します。左右の襞の同じ部分にできる、いぼのような小さな突起または隆起です。成人によく見られる声帯ポリープと発生のメカニズムは同じですが、結節は襞の縁にだけ発生し、ポリープよりも小さく硬めという特徴があります。
小児声帯結節は、ほとんどが大声や甲高い声を出し続けることが原因で発生します。小学生にもっとも多く見られますが、中高生でも大きな声を出す運動部員や合唱部員などによく見られる症状です。大声を出して声がかすれたりのどが痛くなったりしたときには声帯に炎症が起きていますから、声帯結節を予防するために、しばらくは大声を出さないように心掛けましょう。
小児声帯結節に罹ってしまったときの治療は、日常生活に支障があるほど深刻な症状のときには手術を行いますが、通常は抗炎症薬のネブライザー治療(吸入治療)などを行って経過観察します。その治療期間は、一般に数ヶ月から1年以上に及びます。しかし、変声期前の小中学生の患者では、多くの場合、変声期を過ぎると自然治癒して普通の声を取り戻すことができます。
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【症状】 かすれ声(しわがれ声)、声が出しにくい、声が出なくなるなど。また、のどの痛み、咳、痰、発熱なども。
急性喉頭炎は、ウイルス感染によって咽頭の奥の喉頭が炎症を起こす病気です。病原体のウイルスとしては風邪ウイルスがもっとも多いと思われますが、インフルエンザウイルスを含む各種のウイルスが考えられます。これらのウイルス感染によって喉頭にある声帯にも炎症が発生し、上記の発声に関する症状が現れます。これが急性喉頭炎の本来の症状です。
しかし、急性喉頭炎は、扁桃炎、気管支炎など、他のウイルス性・細菌性の呼吸器系疾患を併発することが多く、その症状としてのどの痛みや咳、痰、発熱などをともなうことが珍しくありません。従って、病院での治療は、インフルエンザウイルス以外の特効薬のないウイルスの感染に対しては、対症療法として抗炎症薬によるネブライザー治療を行い、細菌感染に対しては抗菌薬(抗生物質)が投与されます。
なお、安静にしてのどもなるべく使わないようにしていれば、通常は発症から1~2週間で治ります。しかし、声を普通に出し続けていると、声帯に悪影響を与えて治療が長引きます。
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