子供の集団感染が心配されるノロウイルスとは
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ノロウイルスは、急性胃腸炎(食中毒)の原因となるウイルスです。ウイルスに汚染された食品を飲食することによる経口感染がもっとも多く、感染者の触れた食器で食事することや、感染者の便・嘔吐物が衣服や手に付着したり感染者の触れた便器・ドアノブに触ったりすることなどから経口感染することもあります。
口に入ったノロウイルスは、十二指腸から小腸上部の腸壁細胞に感染して増殖し、急性胃腸炎を発症します。ただし、食中毒の代表的な原因菌であるボツリヌス菌は猛毒のボツリヌストキシンを出し、近年よく耳にする病原性大腸菌 O157 も強い毒性のあるベロ毒素を出しますが、ノロウイルスはそのような毒素を出しません。十二指腸付近の小腸内壁の細胞を破壊して発症します。
その症状はたいへん不快で、腹痛をともなう場合は子供が泣き出します。しかし、強い毒素を発生しないことから重症化することは少なく、ほとんどの子供は二三日ほどで軽快し、後遺症もありません。なお、飲食による食中毒の場合、子供が飲食してから発症するまでの潜伏期間は通常12時間から48時間です。また、ノロウイルス感染症の特効薬や予防ワクチンは開発されていないため、病院での治療は症状の緩和と合併症予防のための対症療法を施します。
【子供のノロウイルス感染症の症状】
初期症状は微熱。悪寒、体の震えをともなうことも。やがて、吐き気・嘔吐、チクチクと刺すような腹痛が徐々に出てくる。発熱は38℃以下で長続きせずに平熱に戻る。しかし、腹痛は断続的に起こり、下痢をともなうことも少なくない。
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ノロウイルスは感染力がたいへん強く、子供・大人の別なく集団感染をしばしば発生します。大人の集団感染の発生場所は飲食店が多いようですが、子供の場合は保育所(保育園)と小学校が多く、幼稚園は比較的に少なめです。
ノロウイルスの集団感染は大半が冬に発生し、例年11~12月が際立って多く、翌年の3~4月ころまで多発の傾向が続きます。今年(2016年)の冬も、11月の時点ですでに以下のような子供の集団感染の事例が報告されています。
① 大分県大分市の小学校で児童約50人が集団感染
② 宮城県仙台市の小学校で児童50人以上が集団感染
③ 大阪府泉大津市の小学校で児童ら100人以上が集団感染
④ 埼玉県さいたま市の幼稚園で園児40~50人が集団感染
※ 以上の人数は、いずれも正確な人数が判明していない段階の発表によるものです。
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子供の看病で注意すること
〈 食 事 〉
食事は消化の良いものに限ります。ただし、嘔吐・下痢の症状があれば、食欲が低下します。子供が食べたくないときには、あえて食事を摂る必要はありません。
〈 水分補給 〉
発熱や下痢が続くと脱水症状になる危険性がありますので、水分補給を欠かさないでください。通常の水分補給では湯冷まし・お茶などでも構いませんが、下痢が激しく脱水症状の危険性が高い場合は、ドラッグストアなどで販売されている吸収のよい経口補水液(塩分・ブドウ糖を含む水)が最適です。また、スポーツドリンクでも結構です。それらを人肌に温めて与えてください。
家族への二次感染を防ぐために
ノロウイルスは経口感染だけで伝染しますが、感染力がたいへん強いので、二次感染を防ぐために以下の点に十分注意してください。なお、ノロウイルス感染症の二次感染が起こる期間は、発症した日から通常約1週間です。ただし、発症から3週間後までウイルスが患者から検出された臨床報告がありますので、患者と身近に接する家族は、病気が治ってもしばらくは感染への注意を怠らないようにしてください。
〈 手洗いと消毒 〉
患者と接触したときや、患者の衣類・寝具を洗濯したとき、患者の便・嘔吐物を処理したときなどは、手を十分に洗ってください。手洗いに使用する石鹸は、殺菌力のある逆性石鹸が最適です。お湯の流水で、指はブラシを使って洗ってください。その後に、ドラッグストアなどで販売されている消毒用エタノールのスプレーや除菌スプレーを使用するとより効果的です。また、患者の使用した食器なども、洗浄後に消毒用エタノールのスプレーを使用しておくと安心です。
〈 赤ちゃんのおむつ交換 〉
おむつをしている赤ちゃんが患者の場合は、おむつ交換で手にウイルスが感染します。食品加工でも使用されているゴム・塩化ビニール・ポリエチレンなどの薄い使いきり手袋を使用すると安心です。
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