子供のお腹の湿疹から考えられる病気
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子供のお腹の湿疹から考えられる病気
子供のお腹に湿疹ができる病気は、①湿疹以外に目立った症状がない病気、②初期症状として発熱を伴う病気の2種類に大別できます。
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湿疹以外に目立った症状がない病気
【症状】 お腹や背中の広範囲に鳥肌が立ったようなポツポツの湿疹ができ、痒くなる。進行すると患部が赤みを帯び、粉を吹いたようなカサカサの状態になる。
小児乾燥型湿疹は、原因が解明されていません。原因不明の皮膚炎として代表的なものにアトピー性皮膚炎があり、子供にも幼児期からよく見られる皮膚疾患です。現在では、小児乾燥型湿疹の症状をアトピー性皮膚炎の一形態とする見解が有力になっているようです。
しかし、小児乾燥型湿疹は、その症状の現れ方にアトピー性皮膚炎の一般的な症状とは異なる点がありますので、同一疾患と断定することには無理があると思われます。ただ、乾燥肌(ドライスキン)が発症の要因となっている点は、アトピー性皮膚炎と共通しています。乾燥した冬場に発症しやすくなりますので、乾燥しやすい部分の肌の保湿に留意し、入浴時には皮脂成分を洗い流さない配慮が必要です。病院は皮膚科または小児科を受診してください。
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湿疹以外に目立った症状がない病気
【症状】 直径3~5mmほどの丘疹(わずかに膨らんだ赤い発疹)がまず胴体か顔に現れ、その後、4~5日間にわたって同じ丘疹が体の至るところ(口の中にも)に現れる。個々の丘疹は順次水疱(水ぶくれ)となり、さらに膿疱へと変化した後、最終的に膿が出てかさぶたになる。また、水疱のときには痒みがある。
水疱瘡は、水痘帯状疱疹ウイルス(-たいじょうほうしん-)による感染症です。感染力が非常に強く、水痘患者や帯状疱疹患者がくしゃみ・咳をしたときにウイルスを含んだ微小なしぶきが飛散し、それを吸い込むことによって空気感染します。また、患者の水疱が潰れて出る体液や膿疱から出た膿に触れることによる接触感染も起こります。
子供のときにかかりやすい病気で、患者の大半は9歳以下です。一般に初感染で発症し、獲得した抗体が持続する限り再発することはありません。水疱瘡の経験のない成人が発症すると、初期症状として軽い頭痛、食欲低下、倦怠感、発熱などが見られますが、子供の場合、特に幼児ではこのような初期症状がほとんど現れません。また、ほとんどの患者は最初の丘疹の発生から6日目までにはすべての発疹がかさぶたになり、その後、2週間程度で発疹の痕も消えます。発疹がすべてかさぶたになった時点で、感染力はなくなります。
なお、水疱の痒みから子供が患部を引っ掻きやすくなり、爪で水疱を潰すと、感染を拡大させることになります。また、水疱や膿疱を潰したり、かさぶたを無理に剥がしたりして化膿すると、痕が残ります。子供が引っ掻かないように気を付けましょう。病院は小児科を受診してください。
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初期症状として発熱を伴う病気
【症状】 突然の高発熱(39〜40℃)。発症後3〜4日で平熱に戻るが、小豆大の丘疹(わずかに膨らんだ赤い発疹)が全身に現れる。
突発性発疹は、生後4ヶ月から3歳までによくかかるウイルス感染症です。ヘルペスウイルスが主に家族から接触・空気・飲食物などにより感染して発症します。乳児の知能の発達が進んで、家族からの語り掛けへの反応も豊かになる時期に発症するため、俗に「知恵熱」と呼ばれています。
乳児の場合、高熱に対して痙攣を抑制する脳の機能が未発達であるため、10パーセント前後の患者に全身が硬直したり痙攣したりする熱性痙攣を発症することがありますが、一般に5分以内に治まります。また、赤い発疹は3~4日程度で消え、水疱瘡のように痕が残ることはありません。なお、一度発症すると終生免疫を獲得するため、同じタイプのヘルペスウイルスでは二度と発症することがありません。ただし、別のタイプのヘルペスウイルスでもう一度発症する可能性はあります。病院は小児科を受診してください。
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初期症状として発熱を伴う病気
【症状】 発症から3〜4日間、38℃前後の発熱、倦怠感、咳、鼻汁、目の充血、のどの痛みなど。その後、いったん平熱に戻るが、再び発熱して39〜40℃の高熱が約3日間続き、同時に鮮紅色の丘疹(わずかに膨らんだ赤い発疹)が体・顔に現れ、全身に広がる。
麻疹ウイルスが空気・飛沫・接触により感染して発症するウイルス感染症です。高熱が去った後、体調は徐々に回復し、鮮紅色の丘疹も色が薄くなって、解熱から1週間以内には消滅します。
子供がよくかかる代表的な感染症ですが、母親からの移行免疫が正常に働いている場合は、生後9ヶ月くらいまでは発症が抑えられます。しかし、生後6ヶ月ころから発症する場合もあり、1~2歳のときにもっとも多く発症します。一度発症すると終生免疫を獲得しますが、生後12ヶ月から麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)を接種することができ、発症を予防することもできます。ただし、ワクチンによる抗体は、かならずしも終生免疫とならない場合があります。
なお、麻疹に対する特効薬はなく、治療はすべて症状を緩和する対症療法になりますが、それによって危険な合併症の予防にもつながりますので、麻疹が疑われる症状のときには速やかに小児科を受診してください。
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