子供のブユ ( ブヨ、ブト ) の被害と対処法
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ブユは、ハエやアブの仲間の昆虫で、カと同様にメスが産卵のために人や動物の血を吸う吸血性の害虫です。日本に生息しているブユとしては、全国に分布するアシマダラブユと北海道・本州・九州に分布するキアシオオブユが代表的な種類です。アシマダラブユは体長がわずか 3.3mm とたいへん小さく、比較的に大型のキアシオオブユでも体長が 5mm 程度しかありません。一見して小さな黒いハエのように見えます。
ブユの仲間は小川や渓流などの清流に産卵して繁殖し、幼虫が水質汚染に弱いため、都市部にはほとんど生息していません。しかし、きれいな水辺のある郊外や山間部では成虫が1年を通して生息し、特に繁殖と活動が活発になる3月から9月頃にかけては大量に発生して、水辺のキャンプ場やバーベキュー広場で咬まれる被害が多発しています。
なお、ブユという名称は昆虫学上の標準和名であり、俳句の夏の季語にもなっています。しかし、現在でも、関東一円と福島県では方言の「ブヨ」という名称が一般に使われ、京都を含む近畿地方から中部・中国両地方にかけての多くの地域でも「ブト」と呼ばれています。
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【症状】 咬み傷のわずかな出血、水疱。翌日以降に咬み傷周辺の激しい痒み、痛み。患部周辺の腫れや発熱が発生する場合も。
メスのブユは、カやアブのような針状の細長い口吻(口)を持っていませんが、人間の皮膚を咬み切って出血させ、血液を吸引します。そのときに口吻から唾液が傷の中に注入され、唾液に含まれる酵素などのタンパク質成分がアレルゲンとなり、激しい痒みと痛みを引き起こします。また、咬み傷が多い場合や体質的にアレルギー反応が強い場合には、患部一帯が大きく腫れ上がり、発熱する場合もあります。
子供が咬まれたときの応急処置としては、咬み傷周辺を強く摘まんでブユの唾液を絞り出すようにします。痒みと痛みが現れたら、アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン剤と炎症を抑えるステロイド成分を含む外用薬(ムヒアルファEX・クリームなど)を塗ってください。しかし、腫れが大きい場合は、直ちに皮膚科を受診してください。また、患部を引っ掻くと病状の経過に悪影響を与えますので、子供がけっして引っ掻かないように気を付けてください。
なお、ブユの被害は夏に多く発生しますが、薄着になる夏は着衣の上から咬まれることもあります。子供がブユに咬まれないようにするためには、ブユが嫌う忌避剤(ディート)を主成分とする虫除けスプレー(ムヒのムシペールPSなど)が効果的です。
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