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子供の腹痛が続くとき

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子供の腹痛が続くとき
子供の腹痛で、毎日あるいは数日置き、または周期が一定していなくても比較的頻繁に繰り返す痛みの場合は、一般に1時間もしない内に痛みが治まります。このような腹痛は、何らかのストレスが原因で起こる心因性の腹痛である場合が多いようです。しかし、腹痛が数時間たっても治まらないような場合は、消化器系の臓器疾患の可能性を疑ってみるべきです。子供のよく罹る消化器系疾患で持続する腹痛を主な症状とするものには、次のようなものがあります。

急性虫垂炎 【症状】上腹部(臍より上の部分)の痛みで始まり、やがて右下腹部が痛むようになる。その間に嘔吐することも。また、下腹部の腹痛を感じる頃までには37℃台後半の発熱も。
虫垂炎は、盲腸(右下腹部にある大腸の下端)から突き出ている虫垂突起の中が細菌に感染して炎症を起こす病気です。進行の速い急性虫垂炎でも、初期の軽い病状(カタル性虫垂炎)の場合には、抗生物質の投与で完治させることが可能です。しかし、進行して膿が虫垂内に充満した場合には、外科手術によって虫垂を切除しなければなりません。また、診断が遅れて虫垂に穿孔(組織の損傷により穴が開くこと)が起きた場合には、腹膜にまで炎症が拡大し、腹膜炎を併発します。子供の中でも乳幼児の場合は、虫垂の壁が薄いために炎症が進行しやすく、穿孔も起きやすいので、特に迅速な診断と治療が求められます。虫垂炎が疑われる場合には、できるだけ早く小児科または消化器科の診察を受けましょう。また、夜間の場合には救急外来のある病院を利用し、特に激しく痛がる場合は躊躇せずに救急車を呼びましょう。
なお、消化しない果物の種などを飲み込むと虫垂炎の原因になるということが昔から言われてきましたが、これはまったくの迷信です。



消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍) 【症状】持続する腹痛。吐き気、嘔吐。吐血やタール便を伴うことも。
いわゆる胃潰瘍と十二指腸潰瘍のことです。消化性潰瘍には他にも幾つかの病気が含まれますが、子供によく発症するのはこの2種類です。現在、ピロリ菌の感染がその主要な原因となっていることが判明していますが、子供の場合は、主として10歳以上の慢性十二指腸潰瘍でピロリ菌感染が多く認められ、6歳以下の急性胃潰瘍ではピロリ菌感染が少なく、ストレス性や薬物性(鎮痛剤・ステロイド剤など)その他の原因によるものが多いと言われています。いずれにしても、放置しておくと貧血症状で輸血が必要になったり、さらに進行して外科手術が必要になる場合もある危険な病気ですので、なるべく早く小児科あるいは内科・消化器科の診察を受けましょう。

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