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子供の空腹時の腹痛から考えられる病気

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大人では、食事をしてから2~3時間後の空腹時、みぞおちあたりに鋭い痛みを感じるという人がよくいます。この症状は空腹時痛と呼ばれますが、実は子供にもよく見られる腹痛です。その原因のほとんどは、十二指腸潰瘍です。この病気は胃潰瘍とともに消化性潰瘍と総称され、以前はストレス原因説が有力であったため、ストレスがたまりにくい子供には少ないと考えられていました。しかし、現在では、小児科でも内視鏡検査の普及によって発症の診断が容易になったことから、子供にも消化性潰瘍の少なくないことが判明しました。

十二指腸潰瘍

【自覚症状】 空腹時痛(空腹時に起きるみぞおち周辺の強い痛み)。進行した場合は、貧血や黒色の吐血・タール便(コールタールのような黒い便)を伴うことも。

子供での発症は、小学生以上の年齢でよく見られます。原因は、ストレス説も無視できませんが、胃に感染したピロリ菌ヘリコバクターピロリ)の毒素や分解酵素によって粘膜傷害が起こるとする説がもっとも有力です。

ピロリ菌は、一般の細菌にはない胃酸を中和する能力をもっているため、胃粘膜に定着することができ、胃酸による酸性の環境の中で繁殖する細菌です。十二指腸ではアルカリ性の十二指腸液や膵液が分泌されて胃酸が中和されますが、胃の末端の幽門からそれに続く十二指腸の約3cmの部分(十二指腸球部)は胃酸による酸性の環境が保たれています。この部分だけは胃と同様にピロリ菌の繁殖が可能であるため、十二指腸潰瘍を引き起こすと考えられています。

かつてはほとんどの人がピロリ菌に感染していたそうです。その中で菌による消化系潰瘍などを発症するのは約3割で、残りの約7割の人は、ピロリ菌が胃の中の常在菌として存在しながら発症しない健康保菌者であったと言われています。しかし、現在では、生活環境が衛生的になったことと保健衛生の知識が普及したことにより、特に若年層を中心として保菌者が減少しています。それでも、ピロリ菌による粘膜傷害や小学生にまで広がったストレス障害が原因となり、子供の十二指腸潰瘍が増えているものと思われます。

子供が空腹時痛を訴えるときは、小児科を受診してください。ピロリ菌は、胃の中にいったん感染すると終生常在菌として存在し続け、将来的には胃がんの原因となる可能性もあります。抗生物質などの薬剤投与によって除菌することが可能(成功率70~80%)ですので、医師に相談してください。

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