子供の耳垢がベタベタしている
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子供の耳垢がベタベタしている
ベタベタした耳垢は病気ではありません!
耳垢(みみあか)には、乾いた皮膚が剥離したように見えるカサカサの乾性耳垢(かんせいじこう)と湿り気があってべたつく感じのする湿性耳垢(しっせいじこう)の2種類があります。この耳垢の違いは遺伝的性質であり、人種・民族や地域によって乾性耳垢と湿性耳垢の割合が異なっています。日本人の場合は、全体の約16%の人が湿性耳垢だと言われていますが、日本国内でも地域によって割合が異なり、北海道のアイヌ族の人たちや沖縄の人たちは湿性耳垢の割合が日本人全体の平均値よりも高いという研究結果があります。
また、同じ湿性耳垢でも人によって湿り気の度合いに差があり、和菓子の漉し餡程度の人もいれば、柔らかいマーガリンのように流動性の高い人もいます。子供の耳垢がべたつくのを病気の症状ではないかと心配する人もいるでしょうが、けっして病気ではありませんので安心してください。外耳炎で膿が出たり、中耳炎が進行して鼓膜が破れ、膿汁が流れ出たりした影響でない限り、耳垢がべたつくことを心配する必要はありません。
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ベタベタした耳垢のメリット
耳垢は、単なる垢や老廃物ではありません。外耳道(耳の穴)の皮膚には、皮脂腺と汗腺の一種であるアポクリン腺が分布しており、外耳道の表皮が奥の鼓膜付近から外側に向けて移動する間に、古くなった表皮に皮脂と汗の成分が付着して剥離することで耳垢が形成されます。湿性耳垢は、主としてこのアポクリン腺からの汗の分泌が多いことと、その成分に耳垢の吸湿性を高める成分が含まれていることによって湿り気を帯びると考えられています。
このようにして生成された湿性耳垢には、弱酸性の抗菌成分が多く含まれ、細菌・ウイルスのほかカビ菌の感染に対しても強い抵抗力があります。また、湿性耳垢のもつ苦みや臭いの成分が、外耳道への虫の侵入を防いでいるという説もあります。そのほか、比較的に薄い外耳道の皮膚を保護し、乾燥防止にも役立っていると言われています。したがって、子供の耳掃除は衛生上の観点から必要なことですが、とりわけ湿性耳垢の場合には、ほどほどにしておいた方が良さそうです。
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